国の補助の付いた事業で海や漁業に親しむための学習施設である。
展示学習室と研修室を別々の軸線上に組合せて、明石海峡を望むように配置したい。また延床面積は規定ピッタリにしたい。
近い将来、周囲は民間の商業施設等の建物が建つ予定であり、それらの建物からの視界をさえぎらない為に、高さは6m以下にするように。また休憩広場や散策路の計画も行って欲しい。
構造は鉄骨造で海水から構造体を守るためにコンクリートの壁面で被い、さらにその上に兵庫県産の間伐材で被いたい。
公共の事業で予算取りのために、設計プログラムや設計期間が概ね定められていた。大変短い設計期間であった。
プランは大体決まっていたがボリューム面の検討案を何案か提示し検討した。展示学習室と研修室、それらを繋ぐエントランスホールの三つのボリュームにそれぞれ固有の曲面を持つ屋根を載せ、沖の波に呼応させる。
間伐材の外装を縦貼で提案したが、どうゆう訳か横貼になった。
休憩広場や散策路もいろいろな提案をしたが、ありきたりのものになった。
この建物が完成して数年後には、建物を取り囲むようにアウトレットの巨大な施設が取り囲み、陸地からは見えなくなった。しかし、海に面しての立地が幸いしたのか、この施設や休憩広場の利用者は多く、その点では建ってよかったと素直に思える。
2013.06.04