ざっと以下のようなものが挙げられます。
・法的な条件または制限、地域的な取決め等。
・その土地の地形形状や地質等の特質の読み取り。
・季節ごとの日照や風向き等の自然条件の把握。
・ロケーションの読み取り。過去、現在、そして将来の予測。
・地域の緑化の程度、コミュニティー意識、風土等の読み取り。
・道路事情。道路巾や付近の交通の情況。
工事車両の通行の支障等。
・要望事項の分析。理解できないもの、
相反するものや重複するものはないか。
・要望事項にどの程度の弾力性があるか。
ディスカッションを重ねることで鮮明になる。
・予算の把握。不足の程度は工法、材質の工夫により補えるか。
上記の事項は相互に関連しており、同等に重要です。各条件を理解して、何度も現地を訪ねると方向性が自ずと明らかになります。
方向性は一つでも、基本計画は複数創案され、次のステップで協議検討を重ねます。
建築家の頭の中では、基本設計の試行錯誤の段階でほぼ方向が決まっていますが、大きな要素は以下の二つに集約されます。
・計画の出発点であり、デザインを方向づける大きな要素です。それだけに要望や意向を、うわべの言葉だけで捉えるのではなく、その出所の理由を必ず理解し、それぞれの要望を関連づける共通の糸をたどり、計画の根幹を見出す必要があります。この作業を通して建築主にも、要望と意向の整合性が再確認され、デザインコンセプトが明確になります。
・デザインインスピレーションの上で一番大事な要素と考えます。良好な環境なら、その脈絡にそったデザインでロケーションをより助長しようとしますし、雑多で曖昧な環境なら、印象に残る場とすることで環境を活性化しようとします。新たな建物や環境が地域をより生き生きさせるものでありたいと考えます。