旭丘の家
旭丘の家1

 池田市東部の丘陵地、古く閑静な住宅地に立地する。 この住宅地は各区画が広くゆったりしており、古木の桜並木が住宅地の歴史を物語るようである。 敷地形状は南面を底辺とする東西に長い台形の形状で、接道は西側道路である。

 家族の大勢が女性で、洋風の高級住宅メーカーの雰囲気が気に入っており、 よく分らないがフランスの田舎の住宅・・・例えばプロバンス地方の住宅のような雰囲気がよいとのこと。
 各部屋はゆったりしていること。通風や採光を考慮するのは勿論であるが、家相も重視すること。 具体的な間取りやインテリアの要望は上手く伝えられないが、明るくおおらかで健康的な家がよい。 また空間的な遊びというか、ゆとりの部分も欲しい。

 敷地は東西に長く北東部が切り取られた形状である。家相も考慮すれば各部屋の配置と繋がりの関係が 大体方向付けられる。アクセスは西側道路からなので、玄関や接客部分は西側にまとまり、 LDK等の生活部分は東側となる。その間に中庭のテラスを設ける。この中庭のテラスがあることで夫々 のスペースに通風と採光を十分に採り入れることが可能となった。

 外観は本場のフランス瓦葺で洋風色の濃い家となった。しかし木部の納まりなどは和風の部分も混ざっており、 デザイン的な道筋の説明がつきにくい建物ではある。
 内部の雰囲気は漆喰塗で無垢のメープルフローリングのおおらかで明るく健康的なインテリアに仕上がっている。 また大工の腕は相当なもので、各部はしっかり納まり、設計意図を読み取り、すっきりとした仕上になっている。


2013.05.29