逆瀬台の家

宝塚逆瀬川流域沿いの丘陵地に造成された住宅地。郊外の住宅地らしく比較的広い区画割で低層のメーカー住宅の家屋が建ち並ぶ。良好な居住環境ではある。敷地は一辺約14mのほぼ正方形の形状で、南側で接道する。

逆瀬台の家1

 若い夫婦二人のための住まいである。
 要望はシンプル。広めのLDKと水回り、個室の領域は寝室と予備的なスペースが有ればよい。
 内外ともにモノトーンでクールな空間。シンプルであり、めりはりがあること。 開口部や照明計画は効果的で印象的な表情を持たせること。
 勿論、ローコストであること。

 敷地南東部をオープンにし、アプローチ・カーポート・庭のスペースとする。建物は木造2階建てで、 L字形に配置する。
 1階はLDKを主体とし、2階を個の領域とする。どちらの領域も互いに閉塞させることなく 、吹抜けやブリッジをしつらえて、光と空気を拡散させ、空間移動を楽しませる。 玄関から個の領域に至るまで空気を流通させる。
 外観もシンプルにこだわる。金属板に覆われた外壁に、風と光、それにプライバシーを考慮しながら規格の サッシュをはめ込んでいく。

 住まい全体にボリューム豊かで快適である。しかし、LDKに床暖房を備えているが、 ランニングコストが高価であまり使用しないため、冬はたいへんとのこと。
 個室は寝室のみで、区画された客室はない。宿泊の必要が生じた場合は予備スペースの隙間に衝立を置く などして対応しているとのこと。これもたいへんそうである。
 しかし、家をほとんどさわられていないのは、快適さの方が多いということか。

2013.06.04