西宮市西部の閑静な住宅地。一街区を細分割された、その一区画が敷地である。
震災で従前家屋は、他の家屋と同様に倒壊し、その後、コンクリート擁壁で再造成されている。
接道は敷地西側である。
建築主のご夫婦は長期間の海外赴任の後、ついの住まいをかつて過ごしたこの場所に求められた。
限られた敷地だが、夫婦2人が安全で快適に暮らせる住まいにしたい。構造は3階建てになるのならRC構造としたい。
内外装ともシンプルがよく、ホームエレベーターは必要であるが、余分なものは削りローコストであること。
必要十分な機能をコンパクトに納めようとすると、生活のシーンと機能が各階ごとに明快に分かれていく。
それをホームエレベーターと階段で繋げていった。敷地の特性を見極めた、シンプルでコンパクトな住まいである。
ローコスト化については、コンパクトな家でも必要とする設備面等は大きな家とさほど変わりがないので、
床面積単価的にはどうしても割高な印象の建物になる。この点は狭小住宅が案外、割高に感じられる理由かもしれない。
2013.05.29