大阪の天神橋筋を東に一筋入った、天満宮楼門を正面に見据える道路に面している。
周辺は中小のオフィスや店舗、住宅の混在する大阪の典型的な下町の風情である。敷地は街区を横断して、
西面と東面で接道する、やや東西に長い形状である。
老朽化した従前の建物を解体し、オフィスと集合住宅を組み合わせた複合ビルに建替える計画である。
低層部はテナントオフィスとし、中高層部を単身者向けのマンションとして組み合わせたい。
構造は鉄骨造として、オフィスとマンションに共通するスマートな建物にしたい。
建築主は、工務店経営者であり、工事は自営で行う。そのために比較的施工精度が安定する鉄骨造で
行いたいとのこと。商業地に建つこのような複合建築物の場合は鉄骨造が適当かもしれない。
すでにテナントの決まっている1~3階をオフィススペース。4~8階を集合住宅スペースとして配分した。
商業地において東西が道路に面する大変恵まれた環境であり、素直に東西に向けて開いたデザインとした。
オフィス部は中央に設備コアを配し、住居部は東西に棟を分離し中央を吹抜けとし廊下にも自然光を供給させた。
ファサードは金属とガラスを主体に、機能の異なる低層部のオフィスのデザインと住居部のバルコニーデザイン
との融合に検討を重ねた。
アルミパネルとガラスの透明感。そして金属の屋根。低層部はオフィスビル。中高層部はシティマンション。
違和感なくまた嫌味なく納まり、街並みにも埋もれていない。
バルコニーの手すりガラスは笠木に直接埋め込んでいるために、溜まった埃が雨水とともにバルコニーの壁を
汚れが伝う。高所作業車で毎年清掃されているとのこと。
2013.06.04